FCバルセロナは、単なるクラブ以上の存在であり、「メシ・ケ・ウン・クラブ(Més que un club)」のスローガンのもと、独自の哲学を貫くクラブです。ポゼッションを重視した「ティキ・タカ」スタイルは、クライフの影響を受けて発展し、ペップ・グアルディオラ時代に最高潮に達しました。戦術的には高いポゼッション率とショートパスを駆使し、全員が攻守に関わるプレーを求められます。
この哲学のもと、バルセロナのゴールキーパーも単なるシュートストッパーではなく、ビルドアップの重要な役割を担ってきました。以下は、このクラブで活躍してきた有名なゴールキーパーです。
選手名 | 在籍期間 | 特徴 |
---|---|---|
リカルド・サモラ | 1919-1922 | スペイン初のスターGK、驚異的な反射神経を誇る。サモラ賞の由来。 |
フランセスク・サルダ | 1940-1949 | 戦後のバルサを支えた安定感あるGK。 |
アントニ・ラマジェツ | 1947-1961 | 「偉大なキャプテン」。リーダーシップとポジショニングに優れる。 |
サルバドール・サドゥルニ | 1961-1976 | 3度のサモラ賞受賞。冷静な判断力。 |
ペドロ・アルトラ | 1973-1984 | 俊敏な反応と安定した守備。 |
アンドニ・スビサレッタ | 1986-1994 | クラブ初のCL優勝に貢献。経験豊富な守護神。 |
ルート・ヘスプ | 1997-2000 | 足元の技術に優れたオランダ人GK。 |
ビクトル・バルデス | 2002-2014 | 近代GKの先駆け、足元の技術とビルドアップ能力で長期に渡り活躍。 |
クラウディオ・ブラボ | 2014-2016 | 2014-15シーズンの三冠に貢献。安定感抜群。 |
マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン | 2014-現在 | モダンサッカーの象徴的GK。驚異的な反射神経と足元の技術。 |
本記事では、その中でも2000年以降に活躍したバルセロナの歴代GKを振り返り、彼らのプレーの特徴やクラブへの貢献を紹介します。
バルセロナのおけるGKの特徴
バルセロナのサッカーは、「ポゼッション」「ショートパス」「ハイライン」などの戦術を特徴とし、ゴールキーパーにもフィールドプレーヤー並みの足元の技術が求められます。ポジショナルプレーの哲学が根付いており、GKは単なるシュートストッパーではなく、後方からのビルドアップの起点となる役割を担います。
特に、ペップ・グアルディオラ監督時代以降、バルセロナのGKは次のような能力を求められるようになりました。
- 足元の技術:正確なパスを供給し、ビルドアップに貢献。
- 冷静な判断力:相手のプレスを受けても慌てずに対応。
- ハイラインの統率:最終ラインの高い位置取りに適応し、守備のカバーリングを行う。
- 反射神経と1対1の強さ:最終ラインが高いため、相手のカウンター時に決定的なセーブを求められる。
このような特徴を持つバルセロナのゴールキーパーは、クラブの戦術とスタイルに適応し、実績を残してきました。
バルセロナに在籍した主なゴールキーパー
2000年以降のバルセロナの各シーズンの正GKは以下のようになっています。
シーズン | ラ・リーガ成績 | 欧州カップ成績 | 正GK |
---|---|---|---|
2000-01 | 4位 | CLグループステージ敗退 | ルート・ヘスプ |
2001-02 | 4位 | CLベスト4 | ルート・ヘスプ |
2002-03 | 6位 | CLベスト8 | ロベルト・ボナーノ |
2003-04 | 2位 | UEFAカップベスト16 | ビクトル・バルデス |
2004-05 | 優勝 | CLベスト16 | ビクトル・バルデス |
2005-06 | 優勝 | CL優勝 | ビクトル・バルデス |
2006-07 | 2位 | CLベスト16 | ビクトル・バルデス |
2007-08 | 3位 | CLベスト4 | ビクトル・バルデス |
2008-09 | 優勝 | CL優勝 | ビクトル・バルデス |
2009-10 | 優勝 | CLベスト4 | ビクトル・バルデス |
2010-11 | 優勝 | CL優勝 | ビクトル・バルデス |
2011-12 | 2位 | CLベスト4 | ビクトル・バルデス |
2012-13 | 優勝 | CLベスト4 | ビクトル・バルデス |
2013-14 | 2位 | CLベスト8 | ビクトル・バルデス |
2014-15 | 優勝 | CL優勝 | クラウディオ・ブラボ |
2015-16 | 優勝 | CLベスト8 | クラウディオ・ブラボ |
2016-17 | 2位 | CLベスト8 | マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン |
2017-18 | 優勝 | CLベスト8 | マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン |
2018-19 | 優勝 | CLベスト4 | マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン |
2019-20 | 2位 | CLベスト8 | マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン |
2020-21 | 3位 | CLベスト16 | マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン |
2021-22 | 2位 | ELベスト8 | マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン |
2022-23 | 優勝 | ELベスト16 | マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン |
2000年以降に活躍したGKを紹介していきます!
ルート・ヘスプ(1997年~2000年)
名前:ルート・ヘスプ(Ruud Hesp)
国籍:オランダ
所属チーム:引退(HFCハールレム→フォルトゥナ・シッタート→RKCヴァールヴァイク→ローダJC→FCバルセロナ→フォルトゥナ・シッタート)
誕生日:1965年10月31日
身長/体重:195cm
ルート・ヘスプは1997年にバルセロナへ加入し、ファン・ハール監督の下で正GKを務めました。オランダリーグで培った経験を活かし、バルセロナでは安定したパフォーマンスを披露。特に足元の技術に優れ、ポゼッションスタイルを志向するバルセロナに適応しました。
在籍期間中、1997-98シーズンと1998-99シーズンにラ・リーガ連覇を達成。1999年にはUEFAスーパーカップも制覇し、短期間ながらクラブの成功に大きく貢献しました。
ルート・ヘスプの主要タイトル
- ラ・リーガ優勝(1997-98, 1998-99)
- コパ・デル・レイ優勝(1997-98)
- UEFAスーパーカップ優勝(1997)
ルート・ヘスプの現在
引退後はゴールキーパーコーチとして活動し、オランダ国内クラブや代表チームで若手育成に尽力。現在も指導者としてサッカー界に貢献しています。
ロベルト・ボナーノ(2001年~2003年)
名前:ロベルト・ボナーノ(Roberto Bonano)
国籍:アルゼンチン
所属チーム:引退(ロサリオ・セントラル→リーベル・プレート→FCバルセロナ→レアル・ムルシア→デポルティーボ・アラベス)
誕生日:1970年1月24日
身長/体重:185cm/82kg
代表歴:アルゼンチン代表(1996-2000)
ロベルト・ボナーノは2001年にバルセロナへ移籍し、フランク・ライカールト監督の初期に正GKとして活躍しました。リーベル・プレートでの成功を経て加入したものの、バルセロナでは安定感に欠ける試合もあり、短期間でビクトル・バルデスにポジションを奪われる形になりました。
アルゼンチン代表の実力をもってしても、バルセロナ独特のスタイルに適用するのは、いかに難しいのかが分かりますよね。
ロベルト・ボナーノの主要タイトル
- ラ・リーガ準優勝(2003-04)
ビクトル・バルデス(2002年~2014年)
名前:ビクトル・バルデス(Víctor Valdés)
国籍:スペイン
所属チーム:引退(バルセロナB→FCバルセロナ→マンチェスター・ユナイテッド→スタンダール・リエージュ→ミドルズブラ)
誕生日:1982年1月14日
身長/体重:183cm/78kg
代表歴:スペイン代表(2010-2014)
ビクトル・バルデスのプレースタイルと特徴
ビクトル・バルデスは、バルセロナの黄金期を支えた守護神であり、足元の技術に優れたモダンなゴールキーパーの先駆けでした。特に、ジョゼップ・グアルディオラ監督のもとで、ビルドアップの起点としてプレーする能力を発揮し、バルセロナのポゼッションサッカーを体現するための最高のゴールキーパーでした。彼の特徴は以下の通りです。
- 足元の技術:正確なパスを供給し、バルセロナのポゼッションサッカーに適応。
- シュートストップ能力:鋭い反応と冷静な判断で数々のスーパーセーブを披露。
- 1対1の強さ:相手との駆け引きに優れ、決定的な場面でのセービング力が高い。
- 安定したメンタル:重要な試合で冷静さを保ち、チームの信頼を得る存在。
ビクトル・バルデスのクラブでのキャリア
ビクトル・バルデスは、バルセロナのラ・マシア出身であり、2002年にトップチームデビューを果たしました。その後、正GKとして定着し、バルセロナの黄金期を支えました。グアルディオラ監督時代には、ティキ・タカ戦術の一翼を担い、ゴールキーパーながら攻撃の起点となるプレーを求められました。
2014年にバルセロナを退団し、マンチェスター・ユナイテッドへ移籍。しかし、怪我や監督との関係悪化により出場機会は限られ、その後、スタンダール・リエージュやミドルズブラでプレーした後、2017年に現役を引退しました。
ビクトル・バルデスの主要タイトル
バルデスが獲得したチーム、個人のタイトルは以下の通りです。手に入れたいタイトルは全て手に入れたという印象ですね!
- 国内タイトル
- ラ・リーガ優勝 6回(2004-05, 2005-06, 2008-09, 2009-10, 2010-11, 2012-13)
- コパ・デル・レイ優勝 2回(2008-09, 2011-12)
- スーペルコパ・デ・エスパーニャ優勝 6回 (2005, 2006, 2009, 2010, 2011, 2013)
- 国外タイトル
- UEFAチャンピオンズリーグ優勝 3回(2005-06, 2008-09, 2010-11)
- UEFAスーパーカップ優勝 2回 (2009, 2011)
- FIFAクラブワールドカップ優勝(2009, 2011)
- 個人タイトル
- サモラ賞(2004-05, 2008-09, 2009-10, 2010-11, 2011-12)
この他にスペイン代表としても、ワールドカップ、EUROでのタイトルも獲得しています!
ビクトル・バルデスの有名なセーブ
ビクトル・バルデスの数々のセーブは印象に残っていますが、特に印象的なセーブをいくつか紹介します!
- 2006年 UEFAチャンピオンズリーグ決勝 vs. アーセナル
後半、アーセナルのエース、ティエリ・アンリの決定機をことごとく驚異的な反応でシュートを防ぎ、バルセロナの逆転勝利に貢献
- 2009年 UEFAチャンピオンズリーグ決勝 vs. マンチェスター・ユナイテッド
試合序盤、クリスティアーノ・ロナウドの強烈かつ難しいバウンドのFKを冷静にセーブ。バルセロナの勝利につながりました。バルデスのプレー集みたいになっているので、特徴である足元も技術も存分に楽しめる動画になっています。
- 2011年 ラ・リーガ vs. ビジャレアル
バルデスのセーブで最も好きなのが、2011年のビジャレアル戦のダブルセーブです。ゴールに入りそうになったシュートを掻き出すときの動きはまさに超人的!(動画埋め込みできなかったので、「YouTubeで見る」から動画絶対みてください!)
ビクトル・バルデスの現在の活動
引退後はバルセロナU-19チームなどで監督を務めるなど若手の指導にあたっているようです。
クラウディオ・ブラボ(2014年~2016年)
名前:クラウディオ・ブラーボ(Claudio Bravo)
国籍:チリ
所属チーム:レアル・ベティス(コロコロ→レアル・ソシエダ→FCバルセロナ→マンチェスター・シティ)
誕生日:1983年4月13日
身長/体重:184cm/80kg
代表歴:チリ代表(2004-2021)
クラウディオ・ブラーボのプレースタイルと特徴
クラウディオ・ブラーボは、安定感のあるセービングと優れた足元の技術を兼ね備えたゴールキーパーでした。バルセロナでは、ルイス・エンリケ監督のもと、2014-15シーズンに加入し、ラ・リーガ優勝とUEFAチャンピオンズリーグ制覇を含む三冠達成に貢献しました。
- 安定感のあるシュートストップ:ポジショニングが良く、冷静な対応が持ち味。
- 足元の技術:正確なパスでビルドアップに参加し、バルセロナのポゼッションスタイルに適応。
- リーダーシップ:チリ代表ではキャプテンを務め、精神的支柱としてチームを牽引。
- PKストッパーとしての強さ:決定的な場面でのセービング能力が高く、PK戦でも活躍。
クラウディオ・ブラーボのクラブでのキャリア
ブラボはレアル・ソシエダで活躍した後、2014年にバルセロナへ移籍。リーグ戦では安定した守備を見せ、ラ・リーガ優勝に貢献しました。
この頃、バルセロナではリーグ戦の正GKとしてブラーボが起用され、チャンピオンズリーグやカップ戦ではテア・シュテーゲンが出場する形でした。
2016年にはマンチェスター・シティへ移籍し、ジョゼップ・グアルディオラ監督のもとでプレー。その後、レアル・ベティスへ移籍し、現在もプレーを続けています。
クラウディオ・ブラーボの有名なセーブ
- 2015年 ラ・リーガ vs. レアル・マドリード(エル・クラシコ)
ブラーボといえば、2015年のエル・クラシコでの勝利に貢献した怒涛のセーブが印象に残っています。特に動画の0:52頃に出てくる、クリスティアーノ・ロナウドの至近距離からのシュートをセーブが最高です!(動画埋め込めなかったので、「YouTubeで見る」から是非動画見てみてください!)
- 2016年 コパ・アメリカ決勝 vs. アルゼンチン
ブラーボに注目したのがチリ代表での活躍です。2016年のコパ・アメリカでは、0-0で迎えたPK戦でメッシのPKを外させ、ルーカス・ビリアのシュートをストップし、チリ代表の連覇に貢献!
試合終了間際に、FKからのきわどいコースのシュートをストップしたのもまさにワールドクラス!
クラウディオ・ブラーボの主要タイトル
- チームタイトル
- ラ・リーガ優勝(2014-15, 2015-16)
- UEFAチャンピオンズリーグ優勝(2014-15)
- コパ・デル・レイ優勝(2014-15, 2015-16)
- FIFAクラブワールドカップ優勝(2015)
- 個人タイトル
- サモラ賞(2014-15)
チリ代表としても2015年、2016年とコパ・アメリカのタイトルも獲得しています!
マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン(2014年~)
Embed from Getty Images名前:マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン(Marc-André ter Stegen)
国籍:ドイツ
所属チーム:FCバルセロナ(ボルシア・メンヒェングラートバッハ→FCバルセロナ)
誕生日:1992年4月30日
身長/体重:187cm/85kg
代表歴:ドイツ代表(2012年~)
テア・シュテーゲンのプレースタイルと特徴
テア・シュテーゲンは、モダンサッカーにおけるゴールキーパーの進化を象徴する選手の一人です。バルセロナのスタイルに完全に適応し、ショートパスを多用するビルドアップにおいて重要な役割を果たしています。
- 圧倒的な足元の技術とビルドアップ能力:フィールドプレーヤー並みのボールコントロールと正確なパス能力を誇り、後方からの組み立てに大きく貢献。
- すさまじい反射神経とシュートストップ:至近距離からのシュートにも冷静に対応し、圧倒的な反応速度でスーパーセーブを見せることが多い。
- 冷静な判断力と統率力:守備陣を的確に指示し、試合全体をコントロールする能力に長けている。
テア・シュテーゲンのクラブでのキャリア
テア・シュテーゲンはボルシア・メンヒェングラートバッハでプロデビューし、若くして正GKの座を確保。2014年にバルセロナへ移籍し、当初はブラーボに次ぐ存在で、カップ戦での出場を主として起用されましたが、2016-17シーズンからラ・リーガでも正守護神となり、現在に至るまでバルセロナのゴールを守り続けています。
ドイツ代表のゴールキーパーとしても活躍するテア・シュテーゲン。ドイツ代表としての活躍はこちらの記事でも書いたので、もしよろしければ読んでみてください!
テア・シュテーゲンの有名なセーブ
- 2015年 UEFA CL vs バイエルン・ミュンヘン(準決勝):テア・シュテーゲンのセーブでまず思い出すのがこれ!レヴァンドフスキの決定機をとんでもない反応でスーパーセーブ!!
- 2019年 vs ドルトムント(CL):PKストップを含む圧巻のパフォーマンス!!
- 2020年 vs レアル・マドリード(エル・クラシコ):2020年のレアル相手のこのセーブも是非みて欲しいです!(動画埋め込みできなかったので、「YouTubeで見る」からリンク先で動画をご覧ください!)
テア・シュテーゲンの主要タイトル
- ラ・リーガ優勝(2014-15, 2015-16, 2017-18, 2018-19, 2022-23)
- UEFAチャンピオンズリーグ優勝(2014-15)
- コパ・デル・レイ優勝(2014-15, 2015-16, 2016-17, 2017-18, 2020-21)
- FIFAクラブワールドカップ優勝(2015)
- サモラ賞(2022-23)
バルセロナの歴代最強のゴールキーパーは誰か?
結局のところ、バルセロナの歴史において最強のゴールキーパーは誰なのか。私としては成績、プレースタイル、安定感、貢献度を総合的に考えたとき、ビクトル・バルデスをバルセロナ史上最強のゴールキーパーとして推したいと思います。次点はやはり現守護神テア・シュテーゲンです。
反論はいくらでもあると思いますが、個人ブログということでご容赦ください!
タイトル数と成績
GK | 在籍期間 | ラ・リーガ優勝 | CL優勝 | サモラ賞 |
---|---|---|---|---|
ビクトル・バルデス | 2002-2014 | 6回 | 3回 | 5回 |
テア・シュテーゲン | 2014-現在 | 5回 | 1回 | 1回 |
主要タイトルやラ・リーガにおける個人賞を比較すると、ラ・リーガの優勝回数は同程度であるものの、欧州でのタイトルの数は、バルデスと比較するとテア・シュテーゲンは見劣りしていまします。バルデスがバルセロナの黄金期を支え、数多くのタイトル獲得に貢献したことがわかりますね。
大一番での勝負強さ
ビクトル・バルデスは、ポゼッションサッカーの先駆けとなったGKであり、足元の技術に優れ、ペップ・グアルディオラ時代のティキ・タカ戦術を支えました。また、大舞台での活躍が際立っていました。
一方、テア・シュテーゲンは、より近代的なGKであり、ロングパスの精度が高く、ゴールキーパーからの攻撃の組み立てにも長けています。美しいフォームのセービングやハイボールへの対応など、ゴールキーパーとしての総合力は、年々あがるサッカーのレベルを考えてもテア・シュテーゲンの方が上かも知れません。
しかし、UEFAチャンピオンズリーグの決勝など、大舞台におけるチームを救うセービングやその存在感は、どうしてもビクトル・バルデスに軍配があがります。
また何より、クラブの黄金期である、ペップ・グアルディオラ時代のティキ・タカ戦術の中核を担ったという歴史的な背景も、ビクトル・バルデスを歴代最強のゴールキーパーの推す理由になります。
こうした理由から、ビクトル・バルデスこそがバルセロナ史上最強のゴールキーパーと考えています。
まとめ
楽しんでいただけましたでしょうか。本記事では2000年以降のバルセロナのゴールキーパーを紹介してきました。
- ルート・ヘスプ(1997年~2000年)
- ロベルト・ボナーノ(2001年~2003年)
- ビクトル・バルデス(2002年~2014年)
- クラウディオ・ブラーボ(2014年~2016年)
- マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン(2014年~)
FCバルセロナはこれからも多くのGKを輩出し、新たな守護神が誕生するはずです。現代サッカーでは、GKの役割はますます進化しており、バルセロナの戦術も時代とともに変化していきます。次世代のゴールキーパーがどのようにバルセロナの歴史に名を刻んでいくのか、今後の展開に注目したいです!本記事もそれに合わせてアップデートしていければと思います。