ゴールキーパーのコツ

サッカーのゴールキーパーのキャッチングのコツ!先に手の形を作って迎えにいこう!

キャッチングって難しいですよね。

掴みにいったはずのボールが両手をすり抜けてしまう。あるいは、掴みそこねてボールをこぼしたところ、相手にボールを奪われてしまう。ゴールキーパーであれば、誰もがそんな悔しい経験の1つや2つ、あると思います。プロでもあるくらいですから。

本記事では、そんなミスを少しでも減らすお手伝いができるよう、サッカーのゴールキーパーにとても大切な技術であるキャッチングのコツを、解説していきます!

ゴールキーパーのキャッチングの種類2つ

キャッチングというのは、いうまでもなくボールを手に収める技術のことですが、ボールの位置に応じて以下の3つに分けて解説していきます。

  • 胸より高い位置にきたボールのキャッチング(オーバーハンド)
  • 胸より低い位置にきたボールのキャッチング(アンダーハンドキャッチ)

この記事を読んでくださっている方が特に悩んでいるのは、特に難しい1つめのオーバーハンドキャッチではないでしょうか。1つ1つ解説していきますね。

結論:キャッチングは最初に手の形を作って迎えにいく

冒頭で「掴みにいく」とあえて書きましたが、この感覚はまず忘れてください。代わりに以下を意識してみてください。

ココがポイント

キャッチングをするときには、最初に手の形を作って、ボールを迎えにいく。

これを頭に入れておいてください。

ゴールキーパーのキャッチングの重要性

キャッチングがなぜ重要なのか。

それは相手の攻撃を完全に終わらせることができるからです。

ゴールキーパーがキャッチングをするシーンは、

  • 相手にシュートを打たれたとき
  • クロスボールへ対応するとき

の2種類でしょう。

いずれも相手チームの攻撃時の話です。これらのシーンでゴールキーパーがボールをキャッチすることで、相手の攻撃が終わり、味方の攻撃が始まります

逆に、故意に、あるいはミスによりキャッチができず、ボールをはじいてしまうと、相手の攻撃を終わらせられないどころか、場合によっては即失点につながる場合もあります。

当たり前のことですが、それだけキャッチングという技術はチームの勝敗を左右する大切な技術なのです。

以下の記事でもキャッチングの大切さについて書いていますので合わせて見てみてください!

ゴールキーパーのキャッチングのコツ

それではまずはじめに、オーバーハンドキャッチ、つまり胸よりも高い位置のボールのキャッチングについて見ていきましょう。

胸より高い位置にきたボールのキャッチング(オーバーハンドキャッチ)のコツ

オーバーハンドキャッチのコツは構えにあります。

構えの段階から、ボールがすっぽりハマるような、キャッチングの形をあらかじめ作っておいて、あとはボールの起動にその両手を持っていくだけ。手の幅や、形はほぼ動かしません。

文字だと伝わりにくと思います。ベガルタ仙台でプレーする林彰洋選手が、ご自身のYouTubeで解説してくださっているものがとてもわかりやすいので是非みてみてください!そのうち、以下の箇所でオーバーハンドキャッチのイメージを膨らませてください。

まず、構えの段階で、手は体の前で既にキャッチングの形になっている点はにお気づきでしょうか。

そこから、手の形、手の幅を変えずにボールの起動に手を持っていくイメージです。(緑色の矢印)

掴みにいくイメージだと、左右からボールに点で合わせていってしまうため、ボールを手に収めることに失敗する可能性が高まってしまいます。

ゴールキーパーのキャッチング時の手の形

では、キャッチングの形というのはどのような形なのか。

親指、人差し指で三角形を作るイメージがポイントです。また手全体としても、平面ではなく、ボールの表面の形に合わせて緩やかに曲がっている必要があります。

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イメージを現在ジュビロ磐田でGKコーチを務める川口能活さんの本から画像を拝借しました。

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ボールを落とさないためにキャッチングに失敗するパターンを知る

失敗パターン1

両手の間をボールが抜けてしまう

キャッチングに失敗するパターンの1つは両手の間をボールが抜けてしまうということです。とくに頭上よりも上のシュートやクロスボールをキャッチしようとした場合にありがちですよね。

これを防ぐには以下の3つのコツを抑えることが重要です。

  • 構えの段階での両手の幅
  • ボールの上半分を掴むこと
  • 姿勢が後ろに反らない

両手の間をベールが抜けないようにするには、まず構の段階で両手の幅をボールよりも小さくしておく必要があります。先の林選手の動画で既にイメージはつかめていることと思います。

続いて、ボールの上半分をつかまえにいくというイメージが大切です。ボールの下半分をつかんでしまうと、つかんだ手の上をボールが抜けやすくなってしまいます。上半分をつかむイメージをもっておくと、もしきちんとボールを収められなかった場合でもボールが体の前に落ちるので、再びボールを抑えにいくことができますよね。

そして最後はボールをキャッチするときの体の姿勢です。構えのときから軽く前かがみになることを意識しましょう。ボールに勢いがあると、姿勢が後ろに反ってしまいがちです。自分のイメージしている姿勢と、実際の姿勢にはギャップをしている場合が多いので、動画を活用するなどしてチェックしてみてください。

失敗パターン2

ボールの勢いに負けてしまう

キャッチングに失敗するもう一つのパターンはボールの勢いに負けてしまうということです。

これを防ぐためには、次のことを意識してみてください。

  • 手首を起こすこと
  • 指に力を入れること
  • 肘のクッションを使うこと

まず大切なのは手首を軽く起こすことです。手の親指と人差し指で三角形の形を作りながら、ボールの上半分をつかむというのは実際にやってみるとかなり難しい、というか無理があります。なぜなら、ボールは自分に向かってくるのに対して、手のひらが下に向いてしまうからです。手のひらを、きちんと向かってくるボールに対してあてにいくには、手首を起こす必要があります。

指に力を入れることも大切です。五本の指を広げることで、各指に力も入りますし、単純にボールをつかみにいく際の面積を広げることができます。

最後に肘のクッションを使うことも大切です。ボールをキャッチする際には、手をできるだけ前に持っていき、肘を伸ばした状態でボールに触れ、肘を曲げることでボールの勢いを殺します。

これらのようなキャッチに失敗するときのパターンと、それに対する対策を頭に入れながら、とにかく反復練習を繰り替えてしてください。そのうちに頭をつかわなくても、これらのコツを実践できるようになれば、あなたのキャッチングのスキルは各段に上がり、自分でも驚くほどに今までキャッチできなかったボールをキャッチできるようになります

胸より低い位置にきたボールのキャッチング(アンダーキャッチ)のコツ

オーバーハンドキャッチに比べると苦手意識がある方は少ないかも知れませんがその分ミスをしたときのダメージも大きい技術です。

オーバーハンドキャッチのときと同様、コツは準備の動作にあります。

  1. シュート(あるいはクロスボール)のコースに入る。
  2. シュート(あるいはクロスボール)の高さに合わせて体を落とす。ボールを胸で抱え込める高さに。
  3. 両手を前に出してボールを迎えにいく。手のひらは上向きです。

これらの動作をいかに早くできるかにかかっているといっても過言ではありません。

オーバーハンドキャッチのときと同様に、キャッチをミスるパターンを理解し、その対処を考えます。

失敗パターン1

両手の間をすり抜けてしまう

アンダーハンドキャッチで失敗するパターンとして、両手の間をすり抜けてしまうという場合があります。更には両足の間をもすり抜けゴールが決まってしまう。それがアンダーハンドキャッチにおける最悪のシナリオです。それを防ぐためには以下を意識してみてください。

  • 脇を締める。両腕の幅をボールの大きさよりも狭くすることで、ボールが抜けないようにする。
  • その形を2.で体を落とすタイミングではもう作っておく。
  • 両腕をすり抜けた場合でもゴールにならないように後ろで足を折りたたみブロックを作る。

3つ目の、足を後ろで折り畳むことに関して補足です。最近ヨーロッパでは後ろで足を折り畳まないトレンドもあるようです。が、まずはセオリー通り足でブロックを作るところから始めてみてください。

そろそろイメージを沸かせるためにも、日本代表GKの貴重な練習動画が非常に参考になるのでぜひフルで見てみてください!

同じプロでもキャッチングのスタイルは若干異なりますね。中村航輔選手はは足を折り畳まないスタイルなのがわかると思います。

失敗パターン2

ボールの勢いに負けてこぼしてしまう

ここでも、肘や膝のクッションをうまく使い、ボールにできるだけ前で触れることで、ボールの勢いを殺しながらボールを包み込むことで対応可能です。

が、そんなことをしている余裕がないくらい、スピードのあるシュートあるいはクロスボールをアンダーハンドでキャッチするケールもかなりあると思います。

その場合は、両手で壁をつくるようにしてボールの勢いを止める。特に準備動作が間に合わないケースの場合にはそのようにします。そして、ボールにおおいかぶさるようにして体で抱え込んでしまうことで、手でボールを抑えきれなかった場合もボールをこぼさなくなります。

シュートに対応する場合、オーバーハンドキャッチの場合は、どうしてもキャッチできない場合は外に弾きだすこともできるでしょう。しかし、アンダーハンドキャッチの場合は、ボールを外に弾き出すことは難しいです。弾く=ボールの正面にこぼすのと同じですので、再度相手にシュートのチャンスを与えることになってしまいます。

ボールを迎えにいき勢いを和らげてとめるのか、あるいは両手で壁をつくって勢いを止めるのか、どちらで対処するのか瞬時に判断し、対応することがとても大切です。

ダニッシュキャッチとは?手を使わずにキャッチする秘儀?

若干ネタですが、「ダニッシュキャッチ」という珍しいキャッチング方法もあります。

その名の通りデーマーク代表GKのシュマイケル選手などが試合で使っています。

どんなキャッチかというと、胸の高さくらいにきたボールを、最初に手は使わずに、肘で挟み込むような形でボールをすっぽりキャッチし、最後に手で押さえるような形です。わかりづらいと思うので映像をみてみましょう。

野球における背面キャッチみたいなパフォーマンスでもなさそうです。プロ選手が実施するくらいなので、ないかしらの合理的な理由があるとは思いますが、まずはセオリーに従ってキャッチングに取り組むようにしてみてください。

まとめ

本記事はシュート、またはクロスボールに対するキャッチングのコツについて解説しました。

  • 胸より高い位置にきたボールのキャッチング(オーバーハンド)
  • 胸より低い位置にきたボールのキャッチング(アンダーハンドキャッチ)

いずれの場合も、「最初に手の形を作って迎えにいく」これがコツでしたね。

  • オーバーハンドキャッチの場合は三角形を作ってボールの軌道に持っていく。
  • アンダーキャッチの場合も、腕をしっかり閉じて両腕でボールを迎えにいく。ボールに勢いがありとてもじゃないけど、迎えに行っている余裕がない場合には両手で壁を作るようにして止める。

意識すべきコツが多く、とてもじゃないけど一度では覚えられないと思います。練習でいくつかのコツを実践し、反復練習しているうちに、考えなくてもコツを自然に実行できるようになりますので、繰り返し練習で試してみてください。

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