2023年10月21日にJ1リーグの神戸vs鹿島の試合でGKの前川黛也選手が試合の途中にキャップをかぶったのがSNSなどでも話題になりました。
最近では少なくなりましたが、ゴールキーパーが帽子をかぶって試合に出るを見かけることがあります。Jリーグのようなプロの試合でもすっかり見ないので、今回前川選手がキャップをかぶったことがこんなにも話題になったのでしょう。
そこで本記事では、以下の疑問に応えます。
- なぜゴールキーパーは帽子をかぶるのか?
- そもそもゴールキーパーってキャップをかぶっても良いの?フィールドプレーヤーも?
- 【おまけ】キャプテン翼で話題のシーン、GK若林源三がキャップでボールをはじき出すシーン。あれはOKなのか?
なぜゴールキーパーは帽子をかぶるのか?
前川選手はなぜキャップをかぶって試合に出たのでしょう。
ゴールキーパーが帽子をかぶるのは日差しがまぶしいから
そこまでひっぱるような話ではないのですが、単純に日差しがまぶしいからです。
シュートを受ける分には、よっぽど西日が強い時間帯の試合でなければ全く気になりませんが、ゴールキーパーはクロスボールで高くあがったボールをキャッチするようなプレーがあります。
その際に逆光、つまり日差しの方向からボールが飛んでくるようなケースではボールが全く見えず完全にお手上げです。手で日差しを隠すこともできますが、当然それでは手がふさがってボールがキャッチできませにょね。
前川選手も試合開始時点ではキャップをかぶってはいなかったのですが、前半6分でベンチにキャップを要求してかぶったようです。そして後半からはキャップをかぶらずにプレーしたと。
ここから推測するに、ちょうど前半では日差しの高さや方角が、ボールが飛んでくる方向と重なっていたのだと思います。
少年サッカーでは熱中症予防に今後着用が増えても良いのでは?
後述しますが、ゴールキーパーや、帽子の着用が唯一認められているポジションですので、積極的に帽子を着用することをおすすめします。
帽子は日差し対策としても有効ですが、最近は夏の異常な暑さもあり、サッカー中の熱中症はかなり大きなリスクです。
ゴールキーパーは、味方チームが押しんでいる展開では自軍ゴール前で動きが少ないこともあります。動いていないと日差しの影響を受けやすくなるので、他のポジションよりも日差しによる熱中症のリスクが大きいポジションであるといえると思います。
熱中症は、馬鹿にできないのは皆さんご存じだと思いますので、特に少年サッカーにおけるゴールキーパーは、もっと帽子を着用しても良いのではないかと思います。
ゴールキーパー専門メーカーであるウールシュポルトからはGK専用のキャップも販売されています。
カラーはブラックとホワイトの2色。
日差し対策という意味では、黒の帽子がよさそうです。
一方、熱中症対策という意味では白がよさそうです!
ちなみに前川選手がJ1リーグで着用していたのはアシックスのキャップになります!楽天で購入可能のようです。
ゴールキーパーが帽子をかぶることでデメリットも
ゴールキーパーが帽子をかぶることによるデメリットも2点ほどあります。
1点目はヘディングができないことです。ゴールキーパーも広い範囲を守ることが求められ、ペナルティエリアを大きく飛び出してヘディングでクリアするというシーンもあると思います。キャップをかぶっていると、こういうったプレーは制限されることになります。
もう1点は視野が狭くなるということです。キャップのつばがある分視野が狭くなり、普段からキャップをかぶっていない場合はシュートストップに若干影響があるかも知れません。
いずれもそこまで大きくないデメリットなのかなとは思います。
ゴールキーパーはルール上帽子をかぶっても良いのか?
ゴールキーパーの帽子着用はサッカー競技規則にて認められている
さて、そもそもゴールキーパーは帽子をかぶっても良いのでしょうか?
サッカーの競技規則に記載があります。
ヘッドギア、フェイスマスク、また、膝や腕のプロテクターなど危険でない保護用具で、柔らかく、パッドが入った軽い材質でできているものは、ゴールキーパーの帽子やスポーツめがねと同様に認められる。
サッカー競技規則2023/24 - 第4条 競技者の用具 - 4. その他の用具
https://www.jfa.jp/laws/
なんだか微妙な書き方ではありますが、「ゴールキーパーの帽子」が着用可能であることを明記されています。
ただし、この改訂は2017/18のサッカー競技規則の改訂で取り込まれたもので比較的新しいルールです!ちょっと驚きですよね。
ただし、それまではゴールキーパーが帽子やキャップをかぶっていけなかったというわけではなく、今まであいまいだったところが明記されたという内容だと思います。
ゴールキーパー着用するキャップ、帽子における注意点
帽子について、サッカーのルール上はこれ以上の注意点はないのですが、公式戦で使用する場合には、JFAのユニフォーム規定を意識しておく必要があります。
具体的には、「第5条 〔ユニフォームへの表示〕」という項目があり、名前やロゴなどの表示について規定があります。
チーム名、チームエンブレム、選手名、広告、製造メーカーに関して、表示できる場所や大きさなどについて細かい指定があり、ユニフォームはもちろん、本記事で話題にしている帽子やキャップ、キーパーグローブについても定めてあります。
ただし、ゴールキーパーのキャップについてわざわざチーム名を表示することはないと思いますので、注意する点としてはキャップのメーカーのロゴが1か所のみ表示されているようなキャップを選ぶくらいでしょう。
(6)製造メーカー識別標章
https://www.jfa.jp/documents/pdf/basic/br22.pdf
⑤キャップ
表示できるもの: 製造メーカー名又はロゴマーク
場 所: 任意の場所に一ヶ所
サイズ: 20cm2以下
ゴールキーパーの帽子といえば、キャプテン翼の若林源三!
かなり余談になりますが、日本でゴールキーパーにキャップのイメージがついている理由の大きな一つが、キャプテン翼というサッカー漫画に登場するゴールキーパーの若林源三といえると思います。
ふむふむそうだなと納得してくれる方がいたら、もはや若者とはいえない僕と同じ世代でしょう笑
キャプテン翼は長年にわたりシリーズ化されていますが、初代のキャプテン翼で若林くんがかぶっているアディダスの帽子と、アドミラルの帽子がたまらなくかっこいいんですよね!!
西ドイツに留学していていて、しばらく本編に出てない間には、実はプーマのキャップをかぶっている表紙もあったりしました。
若林くんと同じキャップを買ったり、子供であれば買ってもらったりした方も僕だけではないのではないでしょうか!
若林くんが帽子でカルツくんのループシュートをはじき出すのはルール上OKか??
余談が続きますが、キャプテン翼の最初のシリーズで、若林くんら中学選抜の日本ジュニアユースが挑んだジュニアユース選手権の決勝のワンシーン。
若林くんが西ドイツ代表のカルツが放ったループシュートを、自身のキャップを使ってはじきだすシーン。
「これはさすがに反則だろ」、と小学生ながらに話題になりました笑
これは実際のところどうなのでしょうか。
実はここは明確に競技規則には書いていないようです。
フィールドプレーヤーが、自身の道具であるレガース(脛あて)を手で持ってボールを扱った場合は、レガースは手の延長とみなされハンドの反則になるようです。ゴール前のペナルティエリア内であれば当然PKになります。
しかし、ゴールキーパーはもともと手でボールを扱うことができますので、仮に帽子を使ってボールを扱ったとしてもハンドにはなりません。
しかし、審判の解釈によっても分かれるかも知れませんが、ハンドではないものの反スポーツ的行為で警告、あるいはゴールに入りそうな決定的な場面であれば退場となる可能性もあるかも知れません。
その他ゴールキーパー関連のルールに興味が沸いたという方は、以下の記事も合わせて参考にしてみてください!
まとめ
- ゴールキーパーが帽子をかぶるのは日差し対策。今後は熱中症対策としてもかぶるべき!
- ゴールキーパーがキャップをかぶって良いことはサッカーの競技規則で明記されている。フィールドプレーヤーはだめ。
- 日本のゴールキーパーのキャップのイメージが生み出したのはキャプテン翼の若林源三。
- 若林くんがキャップでボールをはじき出すシーンはハンドの反則にはならないが、反スポーツ的行為に相当し警告や、最悪退場の可能性笑