サンフレッチェ広島は、Jリーグ2022シーズンで開幕から5戦未勝利。
スキッベ監督は6節からはゴールキーパーをベテランの林卓人に代えて、大迫敬介を起用した。そこからチームは3連勝を含む負けなしで、全体チームは10位まで回復してきている。
チームは大迫の起用と共にその調子を取り戻したように見えるが、大迫の起用とチームの回復関係はどこまであるのかを検証した。
林卓人、大迫敬介起用時の成績比較
J1リーグ2022の9節時点の林、大迫の両ゴールキーパーの基本的なスタッツを比較した。
林卓人 | GK | 大迫敬介 |
---|---|---|
5試合:0勝2敗3分 | 戦績 | 4試合:3勝0敗1分 |
6失点 (1.2点/game) | 失点 | 2失点 (0.5点/game) |
12 (2.4/game) | セーブ | 2 (0.5/game) |
66.6% | セーブ率 | 50.0% |
チームの成績という意味では、計算する間でもなく、大迫起用時の方が成績が良い。
個人のスタッツとして失点も大迫の方が少ない。
しかしながら、それが大迫起用の成果かというと、そうはいいきれない。なぜならば、大迫は確かに2失点しかしていないものの、そもそも枠内シュートは4本しか打たれていないからだ。対して、林起用時は、18本の枠内シュートを打たれ、12本をセーブしている。
これは林起用時よりも、大迫起用時の方が1試合平均2.6本被枠内シュートが少ないということになる。
この枠内シュートの少なさについて、大迫が貢献しているといえれば、サンフレッチェの成績回復は、大迫起用の成果といえるかも知れない。
大迫の起用とサンフレッチェ広島のボールポゼッション
Jリーグ2022シーズンの1節~9節におけるサンフレッチェ広島のボールポゼッション、及び、大迫、林のパス関連のスタッツを比較した。
GK | チームボールポゼッション | 個人パス本数/試合 | 個人 パス成功率 | 個人 成功パス本数/試合 |
---|---|---|---|---|
大迫 | 52.8% | 19.8 | 77.2% | 15.25 |
林 | 47.6% | 20.0 | 69.0% | 13.80 |
大迫を起用した場合、チームのボールポゼッションは平均しては5%以上高くなっている。
ゴールキーパーがボールポゼッションの向上に貢献している場合は、パスの本数が多くなっているはずだ。
大迫と林では、1試合あたりのパス数は同程度であるが、大迫の方がパス精度が高い。結果として、1試合で平均すると1.5本程度多くパスを供給している。
これはチームのポゼッション5%向上の要因とまではいえないまでも、大迫のプレーはボールポゼッションの向上に貢献しているといっていいだろう。
ボールポゼッションが5%あがると、被シュート数は少なくなるのか?
J1リーグ2021を戦った全20チームの、ボールポゼッション(%)と、被シュート数(本)の関係をグラフで表した。
結果を見ると、ボールポゼッションが5%あがると、被シュート数はシーズンを通して33本程度減少する傾向があることが読み取れる。これは1試合あたり0.86点だ。
つまり、大迫が出場することで、平均してボールポゼッションが5%向上するサンフレッチェは、被シュートが1試合あたり平均して1本弱少なくなる。
被シュート数が少なくなることで、失点は減るのだ。
結論として大迫の起用はサンフレッチェの躍進にどこまで寄与しているか?
まとめていく。
大迫のパス精度により、チームのボールポゼッション向上に貢献している可能性が高い。
しかし、ボールポゼッションの向上により、減少するシュート数は、0.86本程度であり、2.6本もの被シュートが減っている理由のうち、3割程度の貢献といえる。
大迫が起用されてからというものの、確かに勝率は上がったし、失点も減ったが、大迫起用の成果は3割程度だったとここまで結果からは読み取れた。
大迫選手のポゼッション面での貢献はスキッベ監督の攻撃重視のサッカーにもフィットしているように思えるし、ここまで守備機会がそこまで多くなったとはいえ、福岡戦のようなビッグセーブも実力を発揮している。
しかしながら、これで今シーズンの正GKは大迫に決まり!といえるほどの成績を残しているわけではない。
林、大迫のJリーグでもトップクラスの正GK争いはこれで終わりではなく、今後何かのきっかけで、すぐに序列が入れ替わるような競ったものになっていくと予想する。今後も定点観測していきたい。
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