はじめに — 「どのGKが今、すごいの?」という疑問に
サッカー観戦、特にゴールキーパー(GK)のプレーに注目している方なら、こんな疑問を感じたことはありませんか?
「このGKって、今シーズン本当に活躍している選手なの?」
「ただ“うまい”だけじゃなく、数字でどれだけ安定しているかを知りたい」
GKの実力を語るとき、「クリーンなセーブ」や「安定した守備」は見た目の印象だけではわかりづらいものです。
だからこそ、「セーブ率」「セーブ数」「防御率」「クリーンシート数」といった スタッツ によって、客観的に評価するのがオススメ。
この記事では、2023シーズンの J1リーグ におけるゴールキーパーのデータをもとに、各スタッツで上位だったGKたちをランキング形式で振り返ります。
GKのパフォーマンスを数字で確かめたい人、Jリーグを応援するうえで守護神に注目したい人にぴったりの内容ですよ😊
データソースは、https://fbref.com/ です。Jリーグ公式のスタッツとは若干異なる場合があります。
押さえておきたい「GKスタッツ」の基礎知識
まずは、GKのパフォーマンスを見るときによく使われる代表的なスタッツについて、簡単に説明しておきます。
セーブ率(Save Percentage)
「相手のシュートをどれだけ止めたか」を割合で表した数字。
セーブした数 ÷ 被枠内シュート数 で算出します。
数字が高いほど“打たれたシュートをしっかり止めているGK”ということになります。
セーブ数(Saves)
GKが1シーズンで何本のシュートを止めたかを表す“純粋な本数”です。
たくさん打たれるチームのGKは数が増えやすいので、チーム状況にも影響される点が特徴です。
防御率(Goals Against Average)
1試合あたりどれくらい失点しているかを表す数字。
総失点 ÷ 出場試合数 で求めます。
数字が低いほど「安定した守備をしている」と評価されます。
クリーンシート(Clean Sheet)
無失点で試合を終えた数のこと。
GKにとっては最もわかりやすい「結果」で、チーム全体の守備力も反映します。
J1リーグセーブ率ランキング2025 ベスト3!
「セーブ率」は、枠内シュートに対してGKが止めた割合を示す重要な指標。
まずは、2025シーズンでセーブ率が高かったGK上位3人をチェックしてみましょう。
| 順位 | 選手 | セーブ率 |
|---|---|---|
| 1位 | 大迫 敬介(サンフレッチェ広島) | 77.8% |
| 2位 | 早川 友基(鹿島アントラーズ) | 77.4% |
| 3位 | 朴一圭(横浜Fマリノス) | 75.4% |
J1リーグの優勝、カップ戦の優勝を果たした鹿島と広島の2名が上位に来ています。
活躍が話題になった、清水エスパルスの梅田透吾のセーブ率も78.0%と上位でしたが、出場14試合での成績なのでランク外としました。やはりシーズンを通して試合に出た結果の78%とその半分の試合での78%は価値が違います。
セーブ率が高いということは、「枠内シュートを確実に止める力」が安定している証拠。セーブ率は、GKのスタッツの中でもチーム力の影響を受けにくく、GK個人の能力がよりはっきりと表れやすい指標といえます。
J1リーグシーズン毎歴代セーブ率1位
歴史を振り返ると、毎シーズン「セーブ率1位」に輝くGKは、その年の守護神とも言えます。
歴代のセーブ率1位の記録を並べてみると、「チーム順位が高いからセーブ率も高い」というわけではないことがよく分かります。むしろGK自身の反応速度やポジショニング、シュートストップ能力が色濃く反映されるスタッツだと言えるでしょう。
| シーズン | 選手 | セーブ率 | チーム順位 |
|---|---|---|---|
| 2025 | 大迫 敬介(サンフレッチェ広島) | 77.8% | 3位 |
| 2024 | 一森 純(ガンバ大阪) | 79.1% | 4位 |
| 2023 | 朴 一圭(サガン鳥栖) | 76.1% | 14位 |
| 2022 | 東口 順昭(ガンバ大阪) | 78.4% | 15位 |
| 2021 | 村上 昌謙(アビスパ福岡) | 77.9% | 8位 |
| 2020 | キム・ジンヒョン(セレッソ大阪) | 77.9% | 4位 |
J1リーグセーブ数ランキング2025 ベスト3!
次は「セーブ数」、つまりGKが枠内シュートを実際に止めた回数の多さに注目します。
セーブ数は、被シュートの多いチームでたくさん止めたGKほど上位に来るため、チームへの貢献を直接的に表した指標といえます。
| 順位 | 選手 | セーブ数 |
|---|---|---|
| 1位 | 一森 純(ガンバ大阪) | 109本 |
| 2位 | マテウス(東京ヴェルディ) | 106本 |
| 3位 | 早川 友基(鹿島アントラーズ) | 104本 |
1位の一森選手が109点、2位のマテウス選手は106点単純に守ったということなので素晴らしい成績です。
Embed from Getty Images一方3位の早川選手も注目です。優勝チームのGKがこのセーブ数ランキングに入ってくるのは大変珍しいこと。早川選手のリーグ優勝への貢献度の多さがうかがえます。
J1リーグシーズン毎歴代セーブ数1位
歴代のセーブ数1位を見ていくと、下位に沈んだチームのGKが上位に入るケースが多いことに気づきます。これは、守備が崩れて被シュートが増えるほど、GKが止めなければならない場面が増えるためです。その一方で、チームが苦しい状況でもゴールを守り続けたGKの奮闘ぶりが数字として表れるスタッツとも言えます。
| シーズン | 選手 | セーブ率 | チーム順位 |
|---|---|---|---|
| 2025 | 一森 純(ガンバ大阪) | 109本 | 9位 |
| 2024 | 朴 一圭(サガン鳥栖) | 141本 | 20位(降格) |
| 2023 | 朴 一圭(サガン鳥栖) | 136本 | 14位 |
| 2022 | 権田修一(清水エスパルス) | 116本 | 17位(降格) |
| 2021 | 東口 順昭(ガンバ大阪) | 130本 | 13位 |
| 2020 | 東口 順昭(ガンバ大阪) | 114本 | 2位 |
J1リーグ防御率ランキング2023 ベスト3!
「防御率」は、1試合あたりの平均失点数で、GKと守備陣の安定感を測るうえで重要な指標です。
2025シーズン、防御率で上位だったGKはこちら。
| 順位 | 選手 | 防御率 |
|---|---|---|
| 1位 | 大迫 敬介(サンフレッチェ広島) | 0.74 |
| 2位 | 早川 友基(鹿島アントラーズ) | 0.82 |
| 3位 | 前川 黛也(ヴィッセル神戸) | 0.87 |
J1リーグシーズン毎歴代防御率1位
歴代の防御率1位を振り返ると、上位に食い込むチームのGKが多く並んでいることが分かります。防御率は「90分あたりの失点数」を示すスタッツで、GK個人の力はもちろん、守備組織の完成度やチーム全体の戦い方が強く影響します。そのため、安定した守備を持つクラブでプレーするGKほど、優れた数値を残しやすい傾向があります。
| シーズン | 選手 | セーブ率 | チーム順位 |
|---|---|---|---|
| 2025 | 大迫 敬介(サンフレッチェ広島) | 0.74 | 3位 |
| 2024 | 谷 晃生(町田ゼルビア) | 0.87 | 3位 |
| 2023 | 西川 周作(浦和レッズ) | 0.76 | 4位 |
| 2022 | キム・スンギュ(柏レイソル) | 0.92 | 7位 |
| 2021 | チョン・ソンリョン(川崎フロンターレ) | 0.70 | 1位 |
| 2020 | ランゲラック(名古屋グランパス) | 0.82 | 3位 |
J1リーグクリーンシート数ランキング2023 ベスト3!
最後は「クリーンシート数」、つまり “無失点試合をどれだけ持てたか” に注目。
GKだけでなくディフェンス陣やチーム全体の守備力も反映される大切な数字です。
| 順位 | 選手 | CS |
|---|---|---|
| 1位 | 小島 亨介(柏レイソル) | 19 |
| 2位 | マテウス(東京ヴェルディ) | 17 |
| 3位 | 早川 友基(鹿島アントラーズ) | 16 |
最後までリーグ優勝を争った、小島選手、早川選手が1位、3位にランクイン。小島選手は出場38試合中半分の19試合で無失点とチームの躍進に大きく貢献しています。
小島選手使用グローブ:uhlsport CyberTec / ウールシュポルト サイバーテック
小島選手が使用するウールシュポルトのサイバーテックはAmazonや楽天で入手可能です!

サイバーテックの安価なモデルもAmazonや楽天で購入可能です。
【エントリモデル】uhlsport Cyber Tec Starter Soft / ウールシュポルト サイバーテック スターターソフト

また特筆すべきは2位マテウスのクリーンシート数です。チームは降格圏ギリギリの17位。そんな中で積み上げた17のクリーンシートは、チームの勝ち点獲得に大きく貢献したといって良いでしょう。
J1リーグシーズン毎歴代クリーンシート数1位
歴代のクリーンシート数1位を見てみると、やはり守備が安定している上位クラブのGKが多く名を連ねています。クリーンシートは「無失点で試合を終える」ことを示すスタッツで、GK個人のセーブ力に加え、最終ラインの連携やチーム全体の守備戦術が大きな影響を与えます。そのため、集中した守備を続けられるチームほど、多くのクリーンシートを積み上げやすくなるのが特徴です。
| シーズン | 選手 | セーブ率 | チーム順位 |
|---|---|---|---|
| 2025 | 小島 亨介(柏レイソル) | 19 | 2位 |
| 2024 | 谷 晃生(町田ゼルビア) | 17 | 3位 |
| 2023 | 西川 周作(浦和レッズ) 早川 友基(鹿島アントラーズ) | 15 | 4位 5位 |
| 2022 | ヤクブ・スウォヴィク(FC東京) | 14 | 6位 |
| 2021 | ランゲラック(名古屋グランパス) | 21 | 5位 |
| 2020 | ランゲラック(名古屋グランパス) | 17 | 3位 |
なぜ「数字」が大切か — スタッツ重視のメリット
ここまで「セーブ数」「クリーンシート数」などで選手を見てきましたが、なぜ数字で評価するのが重要なのでしょうか。以下、その理由です。
- 主観だけでは見えづらい強さ:派手なセーブ、好プレーが注目されやすいですが、安定して数字を残せるGKは「毎試合頼れる安心感」があります。
- チーム力に左右されにくい指標:クリーンシートはチーム守備の影響も受けますが、セーブ数やセーブ率はGK個人の仕事が反映されやすい。
- 客観性・比較のしやすさ:別のGKや別シーズンと比べやすく、「今季の守護神は誰か」を判断しやすい。
ただし、数字だけでGKの良し悪しを決めるのは少し乱暴な部分もあります。たとえば「ディフェンスラインの強さ」や「試合状況(何失点が許されるか)」によって、同じGKでも数字が大きく変わることもあります。
だからこそ、数字 + 実際のプレー映像やコンテキスト でGKを評価するのが安心です。
まとめ|J1リーグのGKスタッツを見ると、それぞれの“強み”がはっきり見える
J1リーグのゴールキーパーは、セーブ率・セーブ数・防御率・クリーンシート数といったスタッツを見ることで、「どんなタイプのGKなのか」「どの数値が得意なのか」といった特徴がはっきりと見えてきます。
- セーブ率はチーム状況に左右されにくく、GK個人のシュートストップ能力が表れやすいスタッツ
- セーブ数は被シュートの多さに影響される一方、チームを支え続けたGKの奮闘を物語る数字
- 防御率はチーム全体の守備力とGKの安定感が反映されるスタッツ
- クリーンシート数は組織的な守備とGKの集中力が結びついた結果として積み上がる指標
それぞれの数字が示す意味は異なりますが、どれも「JリーグのGKがどれだけ高いレベルで戦っているか」を理解するうえで欠かせない要素ですよ。
また、紹介したGKたちが使用しているキーパーグローブの情報も、プレーの参考になるのはもちろん、あなた自身の道具選びにも役立つはずです。ぜひAmazonリンクからチェックして、自分に合った一本を見つけてくださいね。
JリーグのGKスタッツは、毎年傾向が変わりやすく、注目して見るとますます面白くなります。
ぜひ来シーズンも、数字とともにGKたちのプレーを楽しんでみてください!









