コラム

dear ZICO - 2006.06.09

※本コラムは昔運営していた川口能活ファンサイト(深海)で掲載していたコラムを再掲したものです。一部内容が古い可能性がありますがご了承ください。

ジーコジャパン、W杯本戦前最後の試合が終わりました。 初戦のオーストラリア戦まで、3日。 最高の準備をして臨んでくれるんじゃないかな。 マルタ戦の結果が微妙だろうがなんだろうが、僕はジーコを信じています。

ジーコには心から感謝しています。 遠くヨーロッパで孤独な戦いを続ける川口を見放さないでくれたこと。 ミスをしても信じて使い続けてくれたこと。 ジーコはすごく信念の強い人だと思う。 試合で結果が出なかったときでも、決して選手のせいにしない。 ウルグアイ戦で川口のミスで引き分けになってしまったときだって、 一番つらかったのが川口だってことを分かっていたからこそ、 そこを責めるよりも、他のプレーでは持ち味が発揮できていたと褒めてくれたし。 自分の責任で選手を選んで、結果が出ないことを絶対に人のせいにしない。 アジアカップでギリギリのところで這い上がれたのは、 中澤や玉田の軌跡的なゴールがあったからだし、 川口のミラクルセーブもあったからだし、 宮本のキャプテンシーがあったからかもしれなけど、 その中心には、ジーコが選手を信じて、ジーコがチームをまとめてくれて、 最後の最後まで戦えるチームにしあげてくれたからだと思う。

監督としての経験が少ないのは分かっていたこと。 経験が少ないから監督としてのテクニック、 例えば途中交代の決断だとかは他の監督に劣るのかも知れないけど、 ジーコは本当の意味でワールドカップを知っている男。 ワールドカップで勝つために何が必要か。 それは言葉では伝えきれないかも知れないけど、 4年間、信頼し続けた選手達と一緒に戦う中で、 知らず知らずにうちに日本選手に染み込ませてくれたんじゃないかな。

トルシエ前監督が掲げたフラット3という戦術は、 ワールドカップを戦い抜ける戦術じゃなかった。 少なくとも2002年の日本選手はそう判断した。 最終的に、グループリーグを突破した要因は、 宮本を中心としたDF陣がフラット3のセオリーを曲げて、 ラインを下げて守った成果。 まさに、選手がピッチの中で自分達の判断で試合を戦った成果だったんだよね。 授業で習ったことをそのままテストで点数に反映する高校生から、 もっと大人の集団へ。 ジーコは自分達で何をすべきかを判断して、それを実践するチームにしてくれた。

そんな彼が選んだ23人なんだから、信じていいと思う。 川口はジーコの信頼に応えなければいけないよね。

きっとだいじょぶ。

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